私は、この病院で断薬を果たした。今も波がありながらも、薬に頼らない生活ができているのは、この病院のおかげ。
このような病院を運営してくださっている久保先生、スタッフの方々、また入院を支えてくれた私の家族には、心から感謝している。
入院までの経緯
20年前、初めての断薬は、知識が乏しいまま、勢いにまかせ自分一人でおこない、日常生活に影響を及ぼすレベルにまでおちいってしまった。
当時は知識不足で、断薬して体から薬が抜けたら、肌が改善すると思っていたが、そうではなかった。
地獄のようなリバウンド期を経て、その後も肌が常に荒れて赤く、痛痒い状態を引きずり5年、出産を機に大悪化におちいり、やむなく繰り返し薬を塗る生活に逆戻り。しかも生まれてきた2人の子供もアトピー。
やはりステロイドで症状抑える方法では行き詰まるし、先々が不安でたまらなくなり、自宅から通える脱ステの方針の病院に行ってみたものの、やはり断薬にはリバウンドという現象は避けられない。薬を使わないで、子供の症状が悪くなって行くのを見るのを夫が耐えかねて、家庭内が険悪になる。
よって、子供のアトピーも薬で対応することになる。
やはり自宅での断薬はあきらめ、入院施設を探す中で見つけたのが岐阜県にあるナチュラルクリニック21。HPに、自分よりもっと重症の方々の症例写真の改善例がいくつもあり、衝撃を受けた。
今すぐにでも入院したいという気持ちだったが、子供含め3人分の入院費用の工面が必要だったので、1年準備期間を置いて入院した。
入院中の生活
一番大きな病室で3人暮らし。入院初期のリバウンドの時期は、辛かったことしか覚えていない。今思えば、這ってでも記録を付けておくべきだった。
ナチュラルクリニック21の治療の大きな特徴である『バイオ入浴』は、バチルス菌でアトピー患者の皮膚で増えすぎかゆみの原因となる常在菌、黄色ブドウ球菌を抑えたり、温熱による効果で皮膚再生の促進をねらう、この病院独自の治療。
薬を断つと、熱が出て、全身が腫れた。ムーンフェイスというのだが、薬を断ったリバウンド期には、顔つきがかわるほど腫れ上がったりする。塗り薬だけでも、それほど体に影響を及ぼしているということ。強いかゆみ、痛みもあり、大きな保冷剤を何個も使って押さえながらしのぐ。
バイオ入浴をしている時が痛みやかゆみ、不快感から逃れられる唯一の時間だったので、子供と交代で1日中入り続けた。夜も、風呂に浸かりながら寝たいくらいだった。
全身の皮膚がただれている時は、外気に触れるのがつらい。バイオ入浴は、お湯がマイルドであまりしみないので、守られているよう。
風呂から出ているときは、乾燥し、体中から剥がれた皮膚が落ち続けるから、シーツは粉だらけ。
それでも病院だから、毎日床をモップできれいにお掃除していただけるし、シーツも替えてもらえる。マクロビ的な、最高においしい健康的な食事を毎食作っていただける。治療に専念できる生活は、本当にありがたかった。
食事は美味しすぎた。発酵酵素玄米を知ったのは、この病院。もちもちして、味に深みがあって、子供たちも喜んで食べた。おかずの品数も多く、日替わりで、ヘルシーかつバリエーション豊かなメニュー。
主に、マクロビ的な玄米菜食だけど、朝には食パンが出たり、月に1回くらいだったと思うけどラーメンの日もあった。
入院生活の唯一の楽しみなので、毎食待ち遠しくてしかたがなかったのと、あまりにおいしすぎて『もっと食べたい!おかわりしたい!』という欲求が湧くのがつらかった・・
病院周辺には田んぼが広がっていて、入院後半は散歩も楽しめた。建物は華美ではないけれど、床が木だったり、ゆとりがあって気持ちが安らぐような施設。その他カウンセリングの時間に1on1で話を聞いてもらえたり、朝に希望者が集まって瞑想などをする部屋があったり。ほかの入院患者さんたちとブルーベリー狩りのイベントに参加したり。
孤独と不安の中、もだえ苦しんでいた1度目の自宅での脱ステ時と比較して、お医者さんや看護師さんに見守られながらの入院の安心感。リバウンドを乗り越える時に、バイオ入浴の力を借りられたことは本当に心強かった。
変化の写真
改めて、3か月の変化を写真で見てみると、改善の度合いがはっきり見て取れる。
入院時の肌の状態は、入院前の2~3週間前から薬を塗るのを辞めていたので、症状の悪化が止まらなくなっている状態。入院後、リバウンドでこの顔からさらに人相が変わるほど腫れるが、毎日トイレと食事以外ずっとバイオ入浴しつづけ、1か月後にはかなり改善された。




コメント